当社は1946年に大阪市で冷凍機の修理および付属機器の製作を主な業務として創業し、1954年に株式会社河野鉄工所を設立しました。現在は、冷凍空調製氷設備、その他産業冷熱プラント設備の設計・施工および配管工事、保守メンテナンス、機器修理、冷凍機オーバーホールを主たる業務としています。
2023年には、脱フロン環境の潮流とデジタル化社会に適応し、さらなる飛躍を目指して株式会社KAWANOへ社名を変更しました。
私たちKAWANOの使命は、お客様に「安心」と「安全」をお届けすることです。冷凍設備が本来の安定した性能を発揮し、お客様が安心して日常の業務を進められるように、デジタル技術を活用した最良のメンテナンスモデルでベストなコンディションを保ちます。これにより、長寿命化・高効率化を実感していただける顧客価値を創出します。
さらに、DXを通じてお客様と共に2050年カーボンニュートラルに向けた技術サポートを提供し、環境にやさしい冷凍・冷蔵設備の未来を築いていきます。
現状認識
社会的なカーボンニュートラルの要請に基づき、お客様の脱フロンのニーズが高まっています。フロン冷媒の規制により、自然冷媒を扱う最新冷凍設備への切り替えが加速しています。最新設備は稼働・停止・霜取りなどあらゆる運転状況をデータ収集し、リアルタイムでデジタル処理することで安定稼働を実現しています。
一方で、旧来設備のオンサイトでのメンテナンス需要は減少傾向にありますが、フロン使用量や冷凍設備の運転データなどの情報の紙からデジタルへのシフトが顕著です。これにより、業務も作業員もデジタル対応を余儀なくされています。
目指すビジネスモデル
このような状況の中で、DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進し、他社との差別化を図りお客様の保守のデジタル化に迅速に対応し新規顧客を獲得すること、既存のお客様に対してはデジタル技術を活用して省力化と高品質なサービスを提供すること、事業環境への適切な投資を持続的に行うことが必要です。
まずは、適正な投資規模や時期の見極めの甘さから脱却するために、経営の細部にわたる情報を見える化し、データに基づく適切な経営・事業・業務改善を日常的に行えるよう、IT環境の整備を推進します。
DX推進における基本方針(ゴール)
- IOT活用でお客様の機器稼働状況把握を行いサービスのご提案を行う。
- デジタル技術活用を行い一元管理されたバックヤード業務で事業運営の高効率化を目指す。
DX推進に向けた取り組み内容(戦略)
- kintoneを基幹としたシステム構築
● システムの一元化: kintoneを基幹システムの柱とし、既存の工事管理システムを見直して、不要なシステムを整理するとともに、新たに必要な会計などのシステムを導入し統合一元化を図り業務効率を向上させます。
● 二重入力の排除: 運転データの二重入力を無くし、作業効率とデータの整合性を確保します。
● 的確な経営判断の迅速化: kintoneによって収集・統合されたデータを活用し、リアルタイムでの経営判断を可能にします。データに基づく意思決定を行うことで、経営の柔軟性とスピードを向上させます。 - 社長直轄のDX組織を設置
● DX人材の採用と社内人材の育成を推進する受け皿としてDX委員会を新設しました。
● 社内人材からITスキルの高いメンバー2名を選出しスタートします。
3-5年後を目途に専任組織化(3名程度)目指す。
● DX委員会メンバーは社内システムの要件定義、開発推進、保守、データ活用推進の役割を担います。
● メンバーに対してITスキル向上のため、社外研修などの追加での教育投資を行っていきます。 - 社内IT人材の強化
● IT人材のキャリア採用枠を設け、3~5年で2名程度増員します。
● ITを活用した業務改善やITツールの操作スキル向上を目的に全社員で定期的な社内勉強会を行います。直近2年間は、基幹システム(見積り管理、件名管理、発注管理、会計)のデータの抽出、整理、分析を行えるデータ活用力向上を目指します。
具体的にはLookerStudio、google apps script、Google スプレッドシートなどのデータ活用ツールの習得を図っていきます。 - 設備稼働状況の遠隔監視システムの導入
● 運転監視: 保守を行う機器に遠隔システムを設置しリアルタイムで稼働状況を監視します。その上で異常を早期で検知し対応します。
● 運転データ収集と分析: 収集したデータを分析し、運転状況の最適化や保守メンテナンスの予測を行います。
DX推進シナリオ
【戦略】と【戦略を効果的に進めるための体制・実行内容】の関係性
Phase.1, Phase.2, Phase.3の3段階の指標で達成状況を把握しており、現在はPhase.0です。
Phase.0 現在 |
Phase.1 短期課題 (1~2年) |
Phase.2 中期課題 (3~4年) |
Phase.3 長期課題 (5~6年) |
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IT環境 | 作業報告書~入金管理まで別ソフトを使用、連携しておらず一元管理出来ていない。 | 基幹システムと連携の取れるクラウド会計ソフトを導入 | 案件ごとの粗利益を含む予実の早急な確認が行えるよう作業完了〜入金管理を自動化に着手する。 | クラウド会計ソフト導入により蓄積された財務情報をリアルタイム共有し効果的な経営判断しサービスの付加価値を高める |
組織改革 | DX人材不在 | DX人員の候補選出と代表取締役直轄のDX委員会創設 | 半期1回ずつのDX実行計画の作成と振返り | DX委員会からIT部門へ昇華 |
内部体制(デジタルを用いた教育体制) | 社員によって、お客様対応品質にばらつきがある。 | 社員教育の進捗をデジタル技術を取り入れ、見える化を行う。 | 見える化から取り入れた情報を元に個別教育を構築し実施 従来で10年かかる教育を5年に短縮できる教育体制を構築 |
フェーズ1と2を元に社員の技能習熟状況にあった人員配置を行い、お客様の困り事解決に貢献する。適材適所配置による業務時間短縮も図る。 |
新規事業 | IOTを用いた遠隔監視保守システムの構想をしている。 | IOTを用いた遠隔監視保守事業の立ち上げ | 遠隔監視保守事業部署の立ち上げ | 新規顧客の拡大 遠隔監視事業の フランチャイズ展開 |
DX推進プロジェクト指標
IT環境
phase1
基幹システムと連携の取れる会計ソフトの導入有無
phase2
案件ごとの粗利益を含む予実の早急な確認が行えるよう作業完了〜入金管理を自動化システム作成着手の有無
phase3
蓄積された財務情報を元に効果的な経営判断が出来たかの有無
(経営判断の品質向上: ROIが15%改善、ROEが10%改善)
組織改革
phase1
DX人員の候補選出と代表取締役直轄のDX委員会創設の有無
phase2
半期1回ずつのDX実行計画の作成と振返りの実施有無
phase3
DX委員会からIT部門へ昇華したかの有無
内部体制
phase1
社員教育をデジタルツールで見える化の有無
phase2
毎月の上司部下面談でフィードバックと進捗確認実施の有無
phase3
phase1と2の効果測定を行う
新規事業
phase1
新規事業プロジェクトの立上げ有無。
phase2
プロジェクトを元に新規事業部署の立ち上げの有無。
phase3
新規顧客の獲得有無
フランチャイズ展開の有無
DX推進プロジェクト達成状況を計る指標
- 達成状況の指標
<デジタル技術活用の環境整備>
基幹システムの一元化を達成の有無
<新規ビジネスの創出>
既存顧客に加え、新規顧客の獲得の有無 - 指標達成の為の具体的な手段
<デジタル技術活用の環境整備>
基幹システムと繋がるSaaS製品の導入。
簡易なシステムメンテナンス及びSaaS製品提供会社様へ正確な不具合報告や打合せする事ができるDX人材の教育を行う。
<新規ビジネスの創出>
パートナー企業と共に遠隔監視システムの開発を行い既存顧客からアプローチを行い試験導入をしていただきその実績データを元に新規顧客へアプローチを行っていく。
DX推進体制
当社は2024年9月1日付でDXの推進を強化する為、DX推進委員会を新設しました。
各部門から人材を集結し、全社でのDX推進に取り組んで参ります。
代表取締役社長 西尾祐